親不孝通りラプソディー

2009年06月23日 23:56

一九八五年。
オレも相棒も、十七歳だった。


親不孝通りラプソディー (ジョイ・ノベルス)親不孝通りラプソディー (ジョイ・ノベルス)
北森 鴻

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親不孝通りディテクティブの続編。テッキとキュータの若かりし頃のお話。

未だにガキの領域に踏みとどまっている馬鹿な高校生が、美人局に引っかかったあげくに信用金庫から現金強奪を計画し、それを実行に移したことさえ十二分に驚愕に値するというのに、その金額が一億超という途方もない事実を告げられて、平然としていられるほど俺は人間ができ上がっていない。当り前だろう。その金が、正真正銘由緒正しき裏金であることは、キュータが計画を俺に持ちかけていた段階で聞かされていたが、


…。

現金強奪の際、キュータは偽の手がかりをばらまき、捜査を撹乱する方法を選びます。そのために用意した、警官の射撃訓練所から盗み出した、弾丸。これがまた、いわくつき。
キュータが、仕方なく組んだ人間が、ヤクザとのつながりもある、狂犬キョウジ。
さらに、過去に起こった現金強奪事件と結び付き、強奪されたお金の総額3億超。
お金の周りに群がる怪しい集団…。

一気に読んでしまう系の面白さでした。

人によっては気に入らないかな、というポイントが二つほど。
一つ目が、カッコがついてない台詞が突然挿入されること。時々、いつの間にか、誰かわからない人の台詞が始まっていて、混乱することがあったかな。
二つ目が、高校生らしい、直接的な表現の下ネタ。ああ、下品さ(笑)
この二点に関しては、けっこう意見が分かれるかもしれないな、と思いました。

だけど、僕はかなり満足。
★★★★☆(星4つ)
親不孝通りディテクティブと合わせて読むと、満足感もさらに大きめかな、と思いました。
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訪問者

2009年06月19日 23:24

「君は、訪問者かね?」

訪問者訪問者
恩田 陸

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恩田さんっていろんなタイプの本を書かれる。僕はその中で「ああ、よく作りこまれているなぁ」と思える本が好き。今回は、「やや作りこまれてる」くらいかな。読んで損をした、とは思わないくらいの…。

映画監督であった故・峠昌彦についてのインタビューと称して、井上は4人の老人に近づく。その4人は昌彦の実の父親候補。井上は身分を偽って、誰が父親かを探りにきたのだ。老人たちは老人たちで「訪問者に気をつけろ」という手紙を受け取っている。身分を隠して近づいてきた井上への不信感が募る中、昌彦と似たような状況で死んだ千沙子の影が至るところに現われてくる。さらに、嵐で外部と遮断されたところで、突如現れる謎の死体。

死の謎についての推理という点では木曜組曲に近いかもしれない。でも、木曜組曲の方が断然作りこまれていたという印象。実際、上のあらすじを読んで頂いても分かるように、お話自体はありきたり。オチも、決して意外なものではなく、むしろ、すっきり度は低め。

期待しすぎると、凹んでしまうかも?
時間つぶし、と思うとそれなりに満足かも?

僕の評価は★★★☆☆(星3つ)
もしどちらかを選んで読むなら、100%木曜組曲だと思います。
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TENGU

2009年05月19日 23:58

振り向いた。そこに見たこともない巨大な男が立ち、サダを見下ろしていた。"青い着物"を着て、頭に烏帽子のようなものを被っていたという。瞬間、天狗だと思った。

TENGUTENGU
柴田 哲孝

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何か本を読みたくて、本屋をブラつき、全く知らない本を、自分の直感のみで選んでみる。それがアタリだったら、凄い幸福感に浸れる。そんな気持ち分かりますかね?逆にそれがハズレだった時の徒労感もまた凄まじいもので…。今回は読み終わって、ドッと疲れがやってきました。つまり、後者ですね。いやぁ、買う時にちょっと悪い予感はしたんだ。読んでいくに従って、天まで届く悪い予感。

昔、ある村で、まるで天狗が起こしたかのような殺人事件が起こります。しかし、米軍の関与のせいなのか何なのか、ウヤムヤなままにならざるを得ませんでした。若い頃、記者としてその事件を担当した道平は、あるきっかけでその事件を調べなおすことになります。

何もミステリじゃないんですわ。そして、ダラダラダラダラ…。天狗の仕業みたいな不思議なことが起こりました。そして、それは実際、不思議なことでした、という意味の分からないオチ。そして、始めから一切謎は進展せず、お話が語られ続けます。意味の全くないイベントの間に、意味のないイベントが挟まったりして、その間に悩んだりします(笑)

オチを語る部分が特に象徴的です。ただただ関係者の一人が背景の説明をするパートなのですが、無駄に数日かけて話すんですよ。何の意味もなく。僕は、その間に語り手が死んだり、何かしら展開があるのか、なんて疑っちゃいましたよ。本当に意味がなくて、逆にびっくりです。いやー、やられたやられた…ってなるかーい!

まるで「2枚以上で書きなさい」って宿題を出された時の学生のレポートみたいな意味のない水増し。そんな雰囲気で、本書はできています。

僕は一切、理解しない。

★☆☆☆☆(星1つ)
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