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反社会学講座

2007年09月05日 22:32

彼ら社会学者は、自分たちこそが社会正義であり、自分たちの処方箋だけが病んだ社会を救えるのだ、と信じて疑わないチョット危ない優等生だからです。

反社会学講座 (ちくま文庫 ま 33-1)反社会学講座 (ちくま文庫 ま 33-1)
パオロ・マッツァリーノ

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以前レビューした『つっこみ力』を書いたパオロさんの本。こっちの『反社会学講座』の方が早く出版されていた本で、近頃文庫になった、ということらしい。アマゾンでの評判通り、『つっこみ力』よりこっちの方が面白かったです。

この本は、社会学の学問としての歪みをからかいまくった本だ。根拠が薄い、または議論に都合のいいデータだけを選んできて、それを元に無駄に不安をあおる社会学者。それをバカにしまくる。
けっこう爽快。
また、その語り口の軽さに対して、議論に必要なデータをしっかり集めてくる辺り好感が持てるし、そもそも議論自体に説得力がある。

扱われているトピックは『少年犯罪の凶悪化』『パラサイトシングルは悪』『日本人は勤勉だ』『ふれあいが大好きな日本人』『日本人はダメでイギリス人は立派』『少子化問題』などなど。読んでみたら、どれだけ社会学者の都合で議論がなされているか分かるだろう。
ちなみに著者の結論は、『少年犯罪は凶悪化していない』『少子化は問題じゃない』だ。

単純に新しい考え方・知識という点でも魅力的な本だけど、その文章も十分に読みがいがある面白さ。ユーモアはお洒落と言って良いレベルだと思う。
たまにジョークと本気の違いが曖昧になる気がするが…それは各自の良識のある判断に委ねられているんだろう(笑)

僕の評価は★★★★★(星5つ)
四つにしようか一瞬迷ったけれど、まあ、今日はこれくらいで。
ちなみに、この本はウェブ上で公開していたものを書きなおしたものらしく、今もその内容を読めるようです。
スタンダード 反社会学講座
買うか迷っているような人は、一度ここで内容を見てみるといいかもしれません。
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つっこみ力

2007年03月22日 03:53

人は正しさだけでは興味を持ってくれません。人はその正しさをおもしろいと感じたときにのみ、反応してくれるのです。

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star本性を現したな!こんちくしょーめ!
star肩の力がぬける
star切り口はおもしろい

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『○○力』というタイトルの本を読もう、という企画の第二弾。えらくゆっくり進む企画に、僕も企画の存在を忘れがちだったりするけども。これは、前回読んだ質問力よりは面白かったと思う。
質問力とつっこみ力…。
何か同じことが書いてありそうな雰囲気ですな(実際は違いますが)。どちらかだけ読もうと思っているような人がいるなら、読むなら後者だと思います。

上記の引用。その通りだと思う。それを示すためだろう。この本の文章たちは面白かったと思う。ただ、時々やり過ぎる傾向があって、ネタに走って内容がおろそかになるところがあるのはどうかと思った。また、そういう議論がおざなりな部分は他と比べて面白さも落ちるのも気になった。笑えるものと笑えない(滑った)もの、どっちが多かっただろう?何にしろ、読む人によって差が大きそうな問題だ。

主にこの本では、権威に対するツッコミ、について書かれている。偉い人とか、科学とか、教育とか、データとかの権威に対して、ツッコミ=分かり易さ=愛にユーモアをプラスして向かっていこう、みたいな感じかな。個人的に、分かりにくいことを堂々と言うような偉い(偉そうな)人とか嫌いなので、その辺りに存分にツッコんでくれるのは、読んでいて面白かった。また、たくさんのツッコミ例を示すことで、この本からツッコミ方を学びたいと思った人も、真似ができるようになるかもしれない。ツッコミはパターン化して使えばいいんだから。

最後にページをたくさん使って、データにツッコむということを行っている。失業率と自殺率に相関がある、という理論に対するツッコミである。なぜか、ここでは笑えるユーモアが少ない。必死になって、理論の間違いを暴こうとしている感じで、余裕が微妙にない。また、そういう余裕のなさのためかそのツッコミに使った議論はあまり説得的でないように感じた。面白くなかったから、細かいところに目がいってしまったということかもしれないけど。この本の最後で「面白くないからあんまり説得力なかったよ」という結論になりそうな議論をしてしまったのはどうなんだろう?しかも、つっこみ力自体の結論が最後にしっかりあるように感じられなかったのは、どうしようか…?(笑)

何か不満そうなことも書いてしまったけど、総合的に見れば、そこそこ面白かったです。
僕の評価は★★★★☆(星4つ)
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