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ぼくには数字が風景に見える

2009年07月27日 20:48

弟のスティーヴンが最近、ぼくと同じアスペルガー症候群だとわかった。十九歳の弟は、苦悩、孤独、将来への不安といった、ぼくが直面してきたさまざまな困難をいま経ているところだ。ぼくが子どものころ、医師たちは、アスペルガー症候群についてなにも知らなかった。そのため、長いあいだぼくは、自分がどうして同級生たちと違うように感じるのか、自分のまわりの世界と切り離されているように感じるのか、まったく理解できなかった。ぼくの経験を綴ったこの本が、スティーヴンのような大勢の若い人たちの心の支えになることができればと思っている。若い人たちには、ひとりぼっちではないこと、だれもが幸せで実りある人生をおくれることを知ってほしい。そして自信を持って生きていってほしい。ぼくがその生きた見本なのだから。

ぼくには数字が風景に見えるぼくには数字が風景に見える
古屋 美登里

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前から読もう読もうと思っていた本で、近頃やっと手にしてみた。きっと、読むべき本だったのだろう、と思う。

著者ダニエル・タメットは、アスペルガー症候群でサヴァン症候群で、複雑な共感覚を持っている。さらに、計算と語学に非凡な才能を持っている。アスペルガー症候群とサヴァン症候群については本の最後にある解説を引用しておこう。

サヴァン症候群とは、非凡な才能と脳の発達障害をあわせ持つ人々のことをいうのである。一方、アスペルガー症候群は、自閉症のごく近縁にある障害である。

wikipediaへのリンクも貼っておく。「サヴァン症候群」「アスペルガー症候群

この本では、著者自身が体験してきた、障害のある生活が語られる。世界と自分との間のギャップが理解できなかった著者は、それでも、自分の大切なものを一つずつ手に入れようと努力する。きっと、書き方によっては『世界中が泣いた』みたいな本にできたのだろうけど、本の中に書かれた著者の人柄の通り、ただ正直に「こんなことがあってね。こんなことを思ったんだ」という感じで書かれている。それも、僕がこの本を気に入った点。感動したら感動したで、僕ったら、また騒ぎまくるんだろうけども(笑)

読んだら、きっと、「あ、これは自分にも似たようなことがあったかも」と思う箇所があるんじゃないかと思う。もちろん、程度は人によって違うだろうけど、たとえば、小さい頃、妙に落ち着く布団があったとか、家を出る前、決まった手順で確認しないと不安になるものがあるとか。本を読みながら、時々、ドキッとするほど、自分に似たことがあったことを思い出した。非凡な才能には一切縁がなく、不便なところだけ重なってしまう辺り、悲しい別物なんだけども(苦笑)
そういえば、小さい頃は僕の中の数字にも色がついていた。もう思い出せないのが寂しいけど、昔はもっと数字が好きだったなぁ。そんなことも思い出したり。

ほんの匙加減なんだろうな、と。もうほんのわずかずれていたら、僕だって、障害と呼ばれるところまで行っていたのかもしれない。いや、自分も実は、立派に(?)障害を持っているのだろうか?それとも、僕の障害って言葉に対する考え方が、根本的におかしいのか?…うん、今はきっとまだ、おかしいんだろう。

僕は、障害を持った人と自分との共通点を見つけてみて、ちょっとだけ「障害って何だろう?」って問題について考えてみた。何が境界にあるんだろう?もちろん、答えなんか出なかったけど。でも、こういう考える機会をくれる本が大好きだ。自分の性質について、周りの人の性質について、そして、いつかできるかもしれない自分の子供の性質について、この本の著者のように真摯に向き合えればいいなぁ、とそんなことを思いました。

★★★★★(星5つ)

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