本の山。

読んだ本についてレビューします。その本のアマゾンのレビューを読んで、文句をつけたりして、自己満足に浸ります。

 
黄金色の祈り 文春文庫黄金色の祈り 文春文庫
西澤 保彦

文藝春秋 2003-11-08
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他人に傷つけられることはあっても、他人を傷つけることは決してない。
それがオレという人間だ。
そう思い込んでいた。



西澤さんの作品。
本屋で見つけるまで存在すら知らなかったけど、見つけて即購入。
近頃、西澤さんらしくない本ばかり読んでいたけど、これもこれでらしくない。
でも、これはこれで面白かった。

ある男の一人称で、中学生から中年までの人生が書かれている。
中学から高校までをブラスバンド部で過ごした彼の周りで起こった、二度の楽器紛失事件。
そして、その後起こる友人の死。
その死体のそばで見つかった、失われた楽器。
全てを引きずり、精神的にボロボロになりながら、終わりまで粘着質に進む。

主人公は周りに無頓着で、自意識過剰。
いろんなことを他人のせいにして、現実から逃げ続ける。
読んでて気分が悪いけど、身につまされるというか…。
僕がこれに近いタイプの人間なのかもしれない。
そのせいか、妙に切なかった。
むしろ、辛かったと言っていいかもしれない。
お話の最後も救われない。
いや、救われたのかもしれないが、それでも・・・

楽器を盗んだ犯人、そして友人の死の真相に関しては、「ふぅん…」程度の解決。
可もなく不可もなく。
このお話にはよく合っているかもしれない。
ただ、冒頭がミステリィ小説ど真ん中の展開を強く予想させるものであったため、あまりにもアンバランスな感じは受けた。
今考えてみるに、あの冒頭でこの内容はよくないかもしれない。
冒頭は余分だろう、とか言ってみたり。(←こういうこと言う奴が基本的には嫌い(笑))

後一つ。
この本はタイトルが秀逸だと思う。
黄金色(きんいろ)の祈り。
いや、タイトルだけ見たら普通だけど、内容を読むと、このタイトルがグッとくる。
本を読みながら、何度もタイトルを意識した。

僕の評価は★★★★☆(星4つ)
うん、やっぱりタイトル重要。
お話が上手いのは、西澤さんだから当然のことだし。


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神のロジック 人間(ひと)のマジック神のロジック 人間(ひと)のマジック
西澤 保彦

文藝春秋 2006-09
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「そのとおり。シウォード博士とミスタ・パーキンスはいま、あなたたちの新しいお友だちを迎えにいっているの」
その時の"けらい(オベイ)"の反応を、いったいどんなふうに説明したらいいのだろう。彼は明らかに震えていたんだ。



前回と同じ西澤さんの本。
西澤さんの本の中ではちょっと異色なものが並ぶ文春文庫。
これも少し変わった本だった。

主人公のマモルはある学校(ファシリティ)で生活をしている。
人里離れたところにある学校。
ある日、突然連れて来られたその学校は、どこにあるのか?ということすら分からない。
少なくとも日本ではないらしいけど…。
よく考えてみたら、その学校に連れてこられた経緯も覚えていないことに気がつく。

その学校には他に5人の生徒。
"妃殿下(ユアハイネス)"、"けらい(オベイ)"、"ちゅうりつ(ニュートラル)"、"詩人(ポエト)"、そしてステラ。
ステラ以外はマモルがひそかにつけたあだ名。
彼らにも学校に連れて来られた時の記憶がない。

学校のスタッフは"校長先生(プリンシパル)"、"寮長(RA)"、そしてミズ・コットン。
どの人も癖だらけ。

この学校に、ある日新入生がやって来る。
マモルははじめてのことだったのでピンと来なかったが、周りの生徒たちはみんな明らかにおびえている。
新入生が全てを壊すかもしれない。
そんな予感がみんなを襲う。

新入生はやって来た次の日に行方不明になる。
校長先生は新入生が脱走したと判断し車で追いかけ、生徒たちが残された学校では事件が起こり始める。
次々と死んでいく生徒たち。
燃え落ちる学校。
最後に残ったマモルたちに知らされるその学校の存在の意味とは…?

…オチのインパクトは意外と普通だった。
でも、意外と深い。
マモルが、他の生徒に役名を与えているところなんかが読み終わった後になって効いてくる。

僕の評価は★★★★☆(星4つ)
そこそこ面白かったけど、少し物足りない気もする。


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