スポンサーサイト

--年--月--日 --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」

2009年01月21日 02:17

もうひとつ、わたしの考えでは、わたしたちは不合理なだけではなく、「予想どおりに不合理」だ。つまり、不合理性はいつも同じように起こり、何度も繰り返される。消費者であれ、実業家であれ、政策立案者であれ、わたしたちがいかに予想どおりに不合理かを知ることは、よりよい決断をしたり、生活を改善したりするための出発点になる。

予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」
熊谷 淳子

早川書房 2008-11-21
売り上げランキング : 5
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


予想以上に面白かったです…って書くと、いろんな人とカブって気恥ずかしいだろうな、と思った。だから、調べてみましたよ。どれくらいの人がこの本のことを「予想以上」って言ってるか。
"予想どおりに不合理" "予想以上" - Google 検索
一応検索結果は3550個とか出ますが、実質120個程度。しかも、そのほとんどがある有名ブログのある記事の関連ページです。⇒ある有名ブログのある記事(ちなみに、この記事を読んでこの本を買いました)
この"404 Blog Not Found"さんのブログも「予想以上に面白い」とは言っていないので、僕が確認できた「予想以上に面白かった」は2件。おっ、予想以上に少ない。…ふぅ、では改めて。
予想以上に面白かったですよ、この本(笑)
…ちなみに、僕が見つけた2件のうちの1件『予想どおりに不合理』 - val it : α → α = funには、
予想以上に面白かった(って言う人は多そうだなー)。

って書いてあり、しかも、引用箇所がカブってたりする。後出しの僕としては内容を変えるべきかもしれないが…まあ、許してもらおう。

行動経済学って分野の本らしいです。そんな分野知らなかったんですが、いや、なかなか楽しそうです。普通の経済学みたいに、人の行動を合理的だと仮定して問題を解くのではなく、実際に人の行動を観察して構成していく経済学、ってところでしょうか。思いついたら、即実験。この本では、けっこう遊び心の見える実験が紹介されています。実験を思いつくたびに、にんまりと笑う筆者が目に浮かぶ、と言いますか。

実験の内容は、たとえば、「無料」という言葉の不合理な威力を示す、こんな実験がありました。
リンツのトリュフ(高級チョコ)とハーシーのキスチョコ(安いチョコ)の2種類を用意する。トリュフを1個15セント、キスチョコを1個1セントで売り出す。買う人はどちらか一つしか買えない。すると、人は合理的に値段を判断し、75%くらいの人がトリュフを買った。
ここで、それぞれ1セント値下げする。つまりキスチョコは「無料」だ。従来の経済学で予想すると、相対的な選好の差は変わらないから、大体75%の人がトリュフを選ばなくてはならない。
結果は、予想どおり逆で、キスチョコが圧倒的な人気。
「無料」が絡むと、人は予想どおりだけど、不合理な行動をとってしまう。

本当に、いろんな実験が登場する。次々にやってくる面白実験が、「ああ、ありそうだ」で終わらない説得力を与える。たとえば、上の状況で「常識的に考えてトリュフを選ぶだろ」みたいな人も、ただ自分が少数派であることを認識して、ストレス少なく読み進められるだろう。
次のリンク先でも本書で取り上げられている不合理に言及しているので、のぞいて見てはどうでしょう?で、もし本を読まれるなら、それがどうおいしく料理されているか見てみるのも楽しいと思います。
予想どおりに不合理 - 情報考学 Passion For The Future

この本、何より筆者のウィットに富んだ話しぶりがいい。日本の本ではなかなか見れない。続きが気になる面白い実験、飽きない文章…。良い本だと思う。
僕の評価は★★★★★(星5つ)

関連しそうな記事
本の山。 反社会学講座 -
[予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」]の続きを読む

ランキング



スポンサーサイト

しゃばけ

2009年01月12日 07:28

「まったく、妖より恐ろしいのは人でございますよ。先刻私が申し上げたかったのは、そのことで」

しゃばけ (新潮文庫)しゃばけ (新潮文庫)
畠中 恵

新潮社 2004-03
売り上げランキング : 2056
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


江戸を舞台にしたファンタジー。主人公の廻船問屋の若だんなはとびっきり病弱で、ほとんど布団の中にいるような生活をしている。そんな若だんなの世話をしているのが、なぜか超過保護な妖怪たち。若だんなはある夜、そんな妖怪たちの目を盗んで屋敷の外に抜け出す。そこで、殺人事件を目撃して…

ちょっと前から、買おうか買おまいか、悩んでいた本でした。結果は、可もなく不可もなく…よりはちょっと残念だった方かもしれません。でも、あまり後悔もなかったりで、複雑な印象を持ってます。

若だんなが事件を目撃した日から、奇妙な事件が始まります。薬種問屋を営む人が次々襲われるんですが、犯人は全て別人です。でも、奇妙な共通点がありまして。どうやら、必死に何かの薬を探しているようなんですが…。その事件に若だんな自身が絡んでいきます。

で、その展開がやたらノロいんですよ。思わせぶりな点だらけですが、見せ掛けだけで実際はミステリーでもないんで、謎の解明が待ってる訳でもない。痛快なオチがつくこともありません。特に始めの方はお話のスタンスも分からなくて、ちょっと苦痛でした。

それが、ずっと読んでると、ちょっと面白いような気がしてくるんです。完全にハマるって感じではないですが、「こんなのもいいかな」と思えてくる。最後は、「めでたし、めでたし」と言って本を閉じれる気分でした。途中で本のスタンスに気づいたのかもしれませんね。全く意識はないですが。

で、何を書いた本なんだろう?と改めて考えると、これまた分からない。頭に残ってる場面もそんなに多くなくて、メッセージが隠されてある様子もない。

もう、雰囲気なんだろうな、と。頭を空っぽにして、雰囲気にどっぷり浸れたら「若だんなが偉かったです」とかって満足感を得られるんだろう。僕はちょっと中途半端なところにいるみたい。

評価は★★★☆☆(星3つ)
完成度が高い小説じゃあない、とは思うんですがね。

関連しそうな記事
本の山。 精霊の守り人
今は「ファンタジーと言えば、これ」くらいの気分なんで(笑)
[しゃばけ]の続きを読む

ランキング



精霊の守り人

2009年01月11日 12:32

バルサが鳥影橋を渡っていたとき、皇族の行列が、ちょうど一本上流の、山影橋にさしかかっていたことが、バルサの運命を変えた。

精霊の守り人 (新潮文庫)精霊の守り人 (新潮文庫)
上橋 菜穂子

新潮社 2007-03
売り上げランキング : 3455
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


バルサの運命が変わった後は、最後まで一直線だ。驚くほど、ごまかしがない。思わせぶりな伏線を散りばめたり、無駄に読者をハラハラさせたり、そんな、言ってしまえば、『ちょっと卑怯な技巧』は一切ない。正直で面白い。そこがこの本の一番凄いところだと思う。

今さら、何も書くことがないくらい有名な本ですね。あらすじも感想も、きっとウェブ上にあふれかえっていることでしょう。僕のお隣さんのブログでも取り上げている方がちらほら。
ワクワクできるストーリー解説をご所望なら、
無辺光 -ムヘンコウ-:書評:精霊の守り人 / 上橋菜穂子 - livedoor Blog(ブログ)
読んだ後の興奮と幸せな気分を覗きたいなら、
SA・N・PO♪ 精霊の守り人
で、その後、時間が余っていて、他にも読みたくなったら、
「精霊の守り人」 上橋菜穂子著 - 樽井さんの読書&電化よもやま日記
などを参考にされるといいかと思います。きっと、僕の書いている記事を読むより、この本を手に取りたくなりますよ。

文庫版には最後に恩田陸さんの解説が載っている。これまた、本に魅力をプラスするいい解説だと思う。ちょっと引用してみよう。

 下品な言い方だが、「モノが違う」。
 それが率直な感想だった。
 思えば、「ハリー・ポッター」シリーズ以降、有象無象の異世界ファンタジーが世界中に溢れた。それらは獲得するアイテムや敵味方のキャラクターのバラエティを描くことに終始しており、ポイント制のカードゲームを文字にしたようなものが散見されたように思う。
(中略)
 そういう二流、亜流の異世界ファンタジーは、世界を構築すらしていなかったのである。


その上橋さんが一冊の本の中に構築した世界を、自分たちの世界として楽しめるのは、やっぱり、日本人なんだろうな、と僕も思う。その世界は、言うならば、八百万の神々の世界を見えないまま、見えるようにした世界というか。

一度読んで、思い出しながら読み返したりして、言葉・文章・世界、それらの多層構造に舌を巻けばいいと思う。

僕の評価は★★★★★(星5つ)
[精霊の守り人]の続きを読む

ランキング





広告




上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。