綿毛の化物のような仔猫時代から、ピートはきわめて単純明快な哲学を編みだしていた。住居と食と天気の世話はぼく任せ、それ以外の一切は自分持ちという哲学である。だがその中でも、天気は特にぼくの責任だった。コネチカットの冬が素晴らしいのは、もっぱらクリスマス・カードの絵の中だけだ。その冬が来るとピートは、きまって、まず自分用のドアを試み、ドアの外に白色の不愉快きわまる代物を見つけると、(馬鹿ではなかったので)もう外へは出ようとせず、人間用のドアをあけてみせろと、ぼくにうるさくまつわりつく。
彼は、その人間用のドアの、少なくともどれか一つが、夏に通じているという固い信念を持っていたのである。これは、彼がこの欲求を起こす都度、ぼくが十一カ所のドアを一つずつ彼について回って、彼が納得するまでドアをあけておき、さらに次のドアを試みるという巡礼の旅を続けなければならぬことを意味する。そして一つ失望の重なるごとに、彼はぼくの天気管理の不手際さに咽喉を鳴らすのだった。大量に期間をあけて更新。
この間に読んだ本の中で一番面白いものをとりあえず書いてみようかと。
古いSF小説。
SF小説なんて古くなったら終わりなんじゃないかと思ってた。
現実が小説の中の年代を追い越し、現実は何か知らないが、やっぱり現実っぽいのだ、ってことになる。
ネタだって、尽きてくる。
「夏への扉」もコールドスリープとタイムトラベルなんていう使い古されたネタだった。
でも、何か人気があるようで。
読んでみたら、ページを繰るのが楽しくなる面白さだった。
SFの設定そのものじゃなくて、ストーリーでもっていく方法が良かった。
主人公はとある技術者。
マネジメントができる友人(マイルズ)と一緒に会社を興し、途中で雇った秘書(ベル)を恋人にした。
忙しくありながらも、人気商品を作ったりなんかして、なかなか幸せにやってた。
飼いネコ(ピート)もやたらとかわいいし。
が、ある時突然、その友人と恋人にだまされ、仕事を奪われ、コールドスリープに押し込まれる。
目覚めたら30年後。
ピートはどうしたんだろう?
憎むべきマイルズとベルはどこで何をやっている?
そして、巷にあふれるまるで自分が設計したかのようなロボットたち。
自分はこれから何をするべきか。
投資会社に預けていた株は、投資会社の倒産でなくなっていた。
一人頼りにできる姪を探して捜索を続けるも、行き詰まり。
さてさて…。
いや、面白かった。
文章の記述も翻訳家が頑張ったのだろう、読みやすい。
やりすぎのきらいがあるユーモアも、僕にはすんなり受け入れられた。
僕の評価は★★★★★(星5つ)
ちょっと僕の記事でイメージが持ちにくかった方は他の人の書いたもっと秀逸な記事をご覧になると良いかと…
⇒
夏への扉 - SA・N・PO♪ちなみに、この本は気になって
ブックマークしていたもの。
誰かが強く推薦しているものって、やっぱり悪くない。
オススメの本の探し方だったりする。
そういえば、SFな設定を使っているのに、むしろストーリーでもっていく、というやり方は僕が好きな西澤保彦さんの本に似てるかも。
気になったら以下も参考にして下さい。
関連記事
西澤保彦さんの本に関する僕の記事七回死んだ男
アマゾンのレビュー
はこんな感じ。
70個のレビューで星は4.5個。
どっかのベストセラーみたいなことになってる。
あまり真面目に読まずに、2つだけある星が3個のものと、1つだけある星が1個のものを拾ってみた。
星が3個の方はきっとまあまあだと判断したんだろう。
星が1個の方は激怒している(笑)
主人公の性格を問題にしている人がたまにいたが、人によっては吐き気がするほどの"やばさ"らしいから注意が必要だ。
個人的には全く意味不明だし、何となくダメな感想であるかことが、数字で示されてもいるようだけども。
まあ、読み方は人の自由だしね、という僕が大嫌いなセリフを書いてみたり。
次回の記事は、「読み方」に関する本で面白いのがあったから、それについて書こうと思ってたりするので、予告的なものです。
…何か、文章にしまりがないのは、ブランクのせいか。
いや、前からだな。
間違いないから、もう終わろう。