星の王子さま

2008年08月09日 23:57

「人間はね」と王子さまは言った、「急行列車で走り回っているけれど、何を探しているか自分でもわかっていない。ただ忙しそうにぐるぐる回るばかりなのさ……


星の王子さま (集英社文庫) (集英社文庫)星の王子さま (集英社文庫) (集英社文庫)
アントワーヌ・ド サン=テグジュペリ

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今さらこんな本を読んでみた。アマゾンでは訳が問題になっているようだったので、一応明記しておくと、池沢 夏樹さんって方の訳。著作権(?)が切れて新訳がいくつか生み出されたとかで、同じ「星の王子さま」でも翻訳者によって評価が違ってきている。そんな新訳の中の一つが本書。
僕は他のを読んでないので、訳者ごとの違いが知りたい方は、アマゾンのレビューを見る方がいいかも。

ここにはメモしていないけど、少し前に『人間の土地』を読んだ。それも「今さら感」は否定できないけど、とても面白かったんです。そんな折、学校の生協で『星の王子さま』を見つけました。横には「文庫・新書合わせて3冊で15%オフ」の文字。適当に他の2冊を選んで、本を買ってしまったわけです。

で、グッと読んで、ガッと終わって、へローンとした感想を持ちました。
うん、良い本だった←バカ

…。

子どもたちに向けて書かれた本だと書いてあります。きっと、子供たちに伝えたくてしょうがないことがあったんですね。そして、とても丁寧に書かれている。

君たち子どもは周りの大人を見てどう思う?
つまらないことに意地になっているように見えないか?
君たちはもっと大事なことを知っているだろう?
それが待っている明日が素敵に見えるだろう?
大きくなっても、それを忘れずにいられるといいね。

丁寧なストーリーでもって「もし良かったら僕のメッセージが伝わればいいな」という謙虚な言葉で書かれている。できるだけ子供の視点を想像しながら、できるだけ子供のころのことを思い出しながら、丁寧に丁寧に。そんな中に「やっぱりサン=テグジュペリも大人なんだな」という悲しさみたいなのを感じてみたり。
それを含めて面白かったと感じたわけですが。僕みたいなおっさんになりかけのダメ人間が面白がっても作者はきっと喜ばないだろうけど、楽しい時間でした。

ああ、おっさんおばさんは読んでみてもいいかも。きっと、反省できることもあるんじゃないかな。その後「ぜひ、子供のうちに読んでおくべき本」とか言いだすような人は死ねばいいけどね(笑)

僕の評価は★★★★☆(星4つ)
大変満足いたしました。

関連する本の記事として、『子供』をテーマに3冊ほど。
くちぶえ番長
少女には向かない職業
チルドレン
アマゾンでの評価
16件のレビューで星が4個ってところ。

上にも書いたけど、予想もしてなかったことに『訳』が問題になっている。原書やいろんな日本語訳を比べられたという人のこの本に対する評価は
結論としては、池澤訳が最も正確であった。その正確性と氏の簡潔な文体が融合しており
新訳の中では屈指の出来だと思われる。

というものであった。ただ、その簡潔な文体に対して、
翻訳とは、『正しい意味に正確に訳す』事も重要なのかもしれませんが、『文章として、物語として』どうなのか、という点が重視されるべきなのではないでしょうか。
この新訳には、中学生が書いた直訳文のような稚拙さを感じます。
これだけ情緒のない文章には久しぶりにお目にかかりました。

僕個人は全く感じなかったし、いくら「物語として」考えても「正確」さを無視したら本末転倒な気もする。
さらに、このレビューの他の部分には怒りによる書きすぎも感じられた。が、その怒りを与えたのが池沢さんの文章だとすると、一概に「ひでぇレビューだ」とは言ってしまえない感じではある。

結論としてはオリジナル版を読むべきだった、ということなのかもしれない。前者のレビューも決してオリジナル版はけなしていないようだし。
また機会があれば、試してみようと思いました。
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コメント

  1. 樽井 | URL | -

    ご無沙汰ですが

     こんばんは。
     バタバタとしてご無沙汰ですが、この本、いまの訳問題はうっちゃっておくとして、自分はずいぶんと前に読みましたが「なんかいいな」と思いました。うまく説明しようとすると言葉にできない感じの「良さ」なんで、本当にうまく言えないですが、いい本でした。
     

  2. MaThy | URL | OARS9n6I

    樽井さん、お久しぶりです。

    >「なんかいいな」
    僕も結局そういう感想です。
    何か書かないとと思っていろいろ書いてますが、内容がないのは読んでいただいた通りでして(照)

    でも、人が何か良いと思うときって、まず「なんかいいな」なんじゃないかなと思います。
    …半分、自己正当化です。

    >うまく説明しようとすると言葉にできない感じの「良さ」なんで、本当にうまく言えないですが、いい本でした。
    かわいいですね、この文章。
    こういう文章が書けたら、僕も満足なんですが。
    勉強させていただきました。
    どうも、ありがとうございました。

  3. 読書系女子 | URL | Zs4YPSp2

    はじめまして。

    はじめまして。
    読書系女子と申します。(変な名前でごめんなさい)

    この本、5歳の娘の好きな本です。
    私は朗読させられる…もう何度め?というぐらい読まされて、
    「パパに読んでもらいなさい」
    と夫に読ませた時、仕事人間の夫は
    「なんか全部自分に言われてるみたい…」
    とショックをうけていました。

    >きっと、反省できることもあるんじゃないかな。

    反省しまくってましたよ。

  4. MaThy | URL | OARS9n6I

    読書系女子さん
    はじめまして。

    …そんな良い雰囲気の家庭の方に読まれているとは、いざ知らず。
    何かすみません。
    今回、特に汚い言葉が混ざっております。
    決して、読書系女子さん夫妻をおっさんおばさん呼ばわりしているわけではないので…(墓穴?)

    それにしても、お気に入りの本が「星の王子さま」な5歳の女の子ってかっこいいですね。
    反省なさった旦那さんももちろんかっこいいですが。
    何にしろ、あやかりたいものです(笑)

  5. minoon | URL | axOiyJao

    私も訳者の違いにまったくこだわらず、表紙でこの本を選んでしまいました。
    感想は、「いい、いいねー」と親父並の言葉だけです(笑)
    サンテグジュペリのほかの本は読んだことがないのですが、「人間の土地」、読んでみようかな…と思います。

  6. MaThy | URL | OARS9n6I

    minoonさん
    コメントありがとうございます。
    やっぱりいいですよね、星の王子さま。
    その感想はいい親父のものですよ(笑)

    サンテグジュペリの他の本は若干個人差が大きそうですね。
    文体がいかめしいというか…
    こっちは堀口大学さんの訳が圧倒的に人気だと思います。
    僕は考えるまでもなく、星の王子さまより人間の土地の方が好きだったり…。

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