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ジョーカー・ゲーム

2008年11月05日 00:32

この連中を動かしているものは、結局のところ、
――自分ならこの程度のことは出来なければならない。
という恐ろしいほどの自負心だけなのだ。



ジョーカー・ゲームジョーカー・ゲーム
柳 広司

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帯の宣伝が気になって衝動買い。大正解の買い物でした。

第二次世界大戦直前の日本に、スパイ養成機関があったら、という設定。スパイなんて卑怯なことしなくても日本が戦争に負けるはずがない。そういう風潮の中でD機関と呼ばれるスパイ養成機関を一人で作りあげてしまったのが、かつては自身も優秀なスパイであり、現在は「魔王」と呼ばれ恐れられる、結城中佐という男。集められてくる人間も、また癖のあるものばかりで、選抜の時点でこんな試験に軽々と合格している。

 たとえばある者は、建物に入ってから試験会場までの歩数、及び階段の数を尋ねられた。
 世界地図を広げてサイパン島の位置を尋ねられた者もある。その地図からは巧妙にサイパン島が消されていて、受験者がそのことを指摘すると、今度は広げた地図の下、机の上にどんな品物が置いてあったのかを質問された。
 まったく意味をもたない文を幾つか読まされ、しばらく時間が経ってからその文を、今度は逆から暗唱させる試験があった。


スパイは自分以外、誰も信用できない土地で、一瞬も気を抜くことなく、時に何年も自らを隠し通さなければならない。天皇陛下のために敵を殺し、死んでいくことこそが賛美される世界で、彼らは「死ぬな、殺すな、目立つな」と教えられる。その極まったストイックさと優秀さは単純にかっこいい。

またこんなにも「ど真ん中フィクション」なお話をリアリティを持って演出する文章もものすごい迫力があった。無駄のない文章が強烈に余韻を残す。心から満足。
評価は★★★★★(星5つ)

冒頭の数ページだけアマゾンで読めるようです。読んでしまった僕としては、「後、もうちょっと読めるようになってたらグッとくるのに」と思うところですが、気になる方は以下から読んでみて下さい。
なか見!検索

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アマゾンでの評価
6個の評価に、4個の星。そこそこなのかな?

飽きずに最後まで読める、という点では大体意見が一致する様子。ミステリとしてはどうなんだろう?というような意見が一つあった。「連作短編」という言葉に過度な思い入れがあると自爆するのかもしれないが、稀な例だろうと思う。

それにしても、この本のレビュー書くのにやたら時間がかかった。何か難しかったのだけれど…
時間をかけただけマシなものができただろうか?(笑)
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コメント

  1. さーにん | URL | -

    柳 広司さん。はじめて聞きました。
    ジャンルも普段自分から選ぶ感じではないですが、なんだかめちゃめちゃ面白そうで興味を惹かれました。メモしておこう!
    記事に時間がかかるのは私の悩みのタネです。自分の語彙の少なさ、文章の下手さに毎回ガッカリ。好きな本の記事ほど、伝えたい事が多くて うまくまとめられない。
    スッキリした短文できっちりポイントを押さえた文章とか、ユニークな視点で書かれた文章とか あこがれますねえ・・・

  2. MaThy | URL | OARS9n6I

    さーにんさん

    こんにちは。
    コメントに気づくの遅くなってしまってすみません。

    僕も、柳さんはこれで始めてしりました。
    僕にとっては、普段、選ばない感じと見せかけて、普段読むものと近い感じでした。
    たまに当たりがあると、嬉しいですね。

    文章に関してはみなさん苦労なさっているんですねぇ…
    基本的に、周りの人は危なげない文章を書いてらっしゃるように見えるのですが。

    何とか読んでもイライラしない文章が書きたいものです…

  3. 藍色 | URL | -

    こんばんは。
    トラックバックさせていただきました。

    トラックバックお待ちしていますね。

  4. MaThy | URL | -

    Re: タイトルなし

    藍色さん

    トラックバックありがとうございます。
    ちょっと僕には勇気がありませんので…申し訳ありません。

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