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まほろ駅前多田便利軒

2009年03月19日 22:23

そのチャンスは残されている

まほろ駅前多田便利軒 (文春文庫)まほろ駅前多田便利軒 (文春文庫)
三浦 しをん

文藝春秋 2009-01-09
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「忙しい年になる」曾根田のばあちゃんの予言通り、その年に便利屋の多田が関わる人たちは何だか問題ばかり抱えている。
その中でも事あるごとに多田を悩ませるのが元同級生の行天(ぎょうてん)。初仕事の帰り際に、行天を拾うところからお話が展開していくのだが、とにかく困った奴で。住むところのないからと、便利屋に居候。すすんで仕事を手伝うでもなく、しかし、仕事には付いて来たがる。たまに役に立つのだけれど、人の目を気にしなさすぎる振舞いは多田を困らせるばかりだ。

少しずつ匂わされていくのだけれど、多田も行天も暗い過去がある。それは、大事なものが自分から決定的に離れていってしまった記憶。絶望的に修復できないものを抱えた時に、人はどうしたらいいんだろう?便利屋に関わる人たちとその問題が、時に多田の記憶を刺激する。

お話はシリアスな雰囲気を匂わせながら進み、しかし、行天や他の登場人物のキャラクターのお陰で暗くなりすぎず、読み心地に関して言えばむしろ軽めのテイスト。匂わされたクライマックスへの期待半分、心地いいお話だなって印象半分、「何か中途半端だな…」という気持ち半分(あれ?計算が合わない…)。
中途半端だって印象は心地よさと一体なのかな。多田の過去は、そこまで予想外でもないし、お話のオチもそんなに強くはない。それで、お話の引っ張り方とオチの威力はバランスが取れていない気がしたけれど、その「ああ良かったね」で終われるお話の作りが、心地よさに一役買ってるのかもしれない。
特に悪い印象なく、時間を潰せるかな、という一冊だと思いました。

★★★☆☆(星3つ)

また、『まほろ』というのは町田をモチーフにした街らしい。町についての描写が気になる人は、
山路を登りながら、こう考えた。:まほろ駅前多田便利軒 - livedoor Blog(ブログ)
こちらのブログ記事など参照にされてはいかがでしょう?


本の山で、この雰囲気に関連しそうな記事
本の山。 卵の緒 -
本の山。 くちぶえ番長 -
アマゾンのレビューはこんな感じ。
ハード版の方がレビューが多いかな。

合わせて60個を超えるレビューで星は4個。
面白かったと感じたか、軽いお話だと感じたか、「町田市民は読もう」と感じたか、に大体分類できる。
軽さが気に入らなかった人がそれなりの数いるみたいなので、「直木賞だから」としっかりした本を期待されている場合は、やめた方がいいのかも。
後、登場人物に関しても評価する人としない人がいる様子。僕はどちらかというと、「こういう登場人物が好かれそうだ」と狙って作られたように感じた。わざとらしいなぁ、と。

やっぱり、アマゾンのレビューを読んでみても「軽く時間を埋めたい時に読む本」ということになるかな、と思いました。
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コメント

  1. 樽井 | URL | -

    Re: まほろ駅前多田便利軒

     こんばんは。
     さくさくと読める一冊でしたね。
     自分の中では三浦しをんさんの作品の中では結構いい位置の作品ですが、文学賞というともっといい作品があるのになぁという位置にもある作品です。でも読み終わったあとのなんとなく人に優しくしたくなる感じが好評価だったのかなと思うと、妥当な気もしたり。
     人によってはあたりさわりがない作品となるのかも知れませんが、個人的には文庫とかで読むならそんなにハズレでもないから三浦しをん入門編にいいのではないかと思います。

  2. simplegg | URL | -

    Re: まほろ駅前多田便利軒

    お久しぶりです.
    わざわざトラックバックしていただきありがとうございます.

    そうですね.自分もこの本の内容については,そんなに記憶にないんです.読んだ当時も,町田が題材になっていることに夢中になってましたし,話自体も悪くないけど…ねって感じでした.MaThyさんの書評は的を得ているなっと思います.

    自分としては,もう1冊読んだ,「私が語りはじめた彼は」という本のほうがもう少し生々しくて好きでした.時間があるときにでも読んでみてください.(年度末はやっぱりバタバタしますね…)

  3. さーにん | URL | -

    Re: まほろ駅前多田便利軒

    こんにちは。

    三浦しをんさん、先日本屋さんでちらりと立ち見したエッセイが激しく面白かったです。
    小説はまだ一冊も読んだことがないのでいずれと思っていたところです。雰囲気が「くちぶえ番長」と関連しそうというところでグッと興味をひかれたので、一冊目はこれにしようかな♪

  4. MaThy | URL | -

    Re: Re: まほろ駅前多田便利軒

    樽井さん

    コメントありがとうございます。
    文学賞っていうのがどういうものか知らない僕には、「ふさわしい」かどうか判断つきませんが、「ハズレでもない」という意見には大賛成です。
    そういう意味ではいい文庫ですよね。
    本に困ったときに、手にとってみてもいいかな、という作家さんになりました。

  5. MaThy | URL | -

    Re: Re: まほろ駅前多田便利軒

    simplegg さん

    トラックバック送ってしまってすみません。
    リンク貼るだけも何ですが、「書いたぜ」って言いにいくのも、何ですよね(笑)
    楽させていただきました。
    お陰でお褒めの言葉までいただけ、ラッキーなトラックバックでした。

    >「私が語りはじめた彼は」という本のほうがもう少し生々しくて好きでした.
    これは、機会があるときに是非とも読んでみないと、ですね。
    ありがとうございます。

    忙しくて、忘れてしまう可能性もかなり高めですが、何とかやっていきたいと思います。

  6. MaThy | URL | -

    Re: Re: まほろ駅前多田便利軒

    さーにんさん

    こんにちは。
    激しく面白いエッセイ…それは気になりますね。
    ちょっと三浦しをんさんの名前に注意して、本屋を歩く必要がありそうな…

    雰囲気については、本当に適当なんで、はずれていても、ご容赦下さい。

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