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リドル・ロマンス―迷宮浪漫

2007年05月13日 19:27

何でも願い事を叶えてくれる"魔法使い"――そう聞いて、ここへやってきた。しかし、その噂をいったい誰に聞いたのか、男のオフィスのあるこの高層ビルまで、どうやって辿り着いたのか、早百合には、どうしても憶い出せない。

リドル・ロマンス―迷宮浪漫リドル・ロマンス―迷宮浪漫
西澤 保彦

集英社 2006-04
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西澤さんの本。
学校の生協でふと見つけ、内容も見ないで購入。
そこそこ面白かった。
やっぱり怪しい設定だったけども。

ハーレクインという男が『何でも願い事を叶えてくれる』という設定で現れる。
長身痩躯で黒いスーツをまとった、彫りが深くて美しい顔立ちの男。
どこかの高層ビルの一室で、依頼人の悩みを聞く。
依頼人は、その部屋までどうやってきたのか、その部屋がどこにあるのか、誰からハーレクインの話を聞いたのか、ということを一切思い出せない。

ハーレクインは依頼人の話を聞きながら、その悩みの表層ではなく裏側に踏み入っていく。
それは、時に悩みの根本的な原因であったり、表層的な解決の帰結であったりする。
いずれにしろ依頼人の欺瞞を、依頼人自らに突きつけ、それに気がついた依頼人は何らかの結果を手に入れる。
それがいいものか悪いものかは、それぞれの依頼人のあり方に強く依存するようではあるけれども。

ハーレクインという言葉には『道化役』という意味があるらしい。
自ら道化役を名乗るハーレクインは、確かに依頼人の悩みの解決において、決して主人公にはならない。
あくまで、その解決を導く『触媒』の役に徹する。
話の筋を知っているこの道化役はスムーズにお話を最後まであるべき形で導く。

西澤さんの本を読んだことがあって、この設定を聞けば、この本がなかなか期待できる本であることは分かるだろう。
ただ、西澤さんの本を読んだことがある人というのが若干少なめであることは悲しい事実だけども。

とにかく、西澤さんは『ある部分だけ見えているお話』の意外な側面・意外な原因・意外な帰結を書き出すのがとても上手いと思う。
ミステリィなどのエンターテイメントな小説の王道的なやり方ではあるけれども、それが上手いというのが西澤さんの一番凄い点だと思ったり。
少し設定が異常で、はじめて手にするときは少し勇気が必要だけど、はまってしまったら毎回買うことになるような、そんな本を書いていると思う。

この本もそういう面白さを持った本だったと思う。
はじめて西澤さんの本を買う人にはこの本じゃなくて『七回死んだ男』とか『完全無欠の名探偵』とかを読んで欲しい気はするけども、そういった有名なところに一通りチャレンジした後なら、読んでみて損はしないんじゃないだろうか?とか思います。

僕の評価は★★★☆☆(星3つ)
けっこう面白かった、ということで。


アマゾンでの評価はこんな感じ。
文庫バージョンの方にはレビューがなかったので、ハードバージョンの方を参考に。
レビューは二つで星三つ。

やはり西澤さんの本の中ではマイナーな方なんだな、ということを改めて思った。
とりあえず、そんなに評価は低くないけど何となく全体的に寂しい。

レビューの内容自体は普通。
僕のレビューより『どんなことが依頼されているか』とか書かれている辺りが、買う人にとってはためになるかもしれない。
ハーレクインを紳士的な喪黒○造だ、という意見も僕と近い意見。
読みながら何度か「近いかも」とか思った。
ただ、断言してしまうのは怖かったので書かなかったけども。

ちなみに、これもいつも通りと言えばいつも通りだけど、書かれている二つのレビューのうち一つはとても見苦しい日本語。
『「分かりやすい説明」の技術』なんて本を今さら読んでいる僕が言うのもなんだけど(苦笑)
気になったら二つしかないのでレビューを読んでみて下さい。

というところで今日はお開き。

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