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屋上物語

2007年07月17日 00:50

さらに"男気"の兄ィに向かって凄味のある笑いを浮かべ、彼女はいった。
「兄さん、男気ってのは、マ抜けの勇気って言葉を知っているかね」


屋上物語屋上物語
北森 鴻

祥伝社 2003-06
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北森さんの本。
好きな作家さんの一人。
この本も面白かった。

あるデパートの屋上にあるうどん屋。
そこの名物店主『さくら婆ァ』が主人公。
屋上で様々な事件が起こり、それをさくら婆ァが解決する。
うどん屋に常連としてやってくる興行師の男(ヤ○ザ?)や高校生なんかを使ったりして。

お話は短編の重なりで一つの小説になる、という形式。
北森さんが得意な形式なんだろう。

語り手は屋上にあるモノたち。
たとえば、屋上の稲荷社の使い狐だったり、小型観覧車だったり、屋上そのものだったり。
彼らは事件について自分達が見たこと・知っていることを誰かに伝えたい。
でもそれは無理なことで、ヤキモキしていたりする。
さくら婆ァはまるでそれを読み取ったかのように、事件を解決していく。

屋上から絶望を感じさせる様子で紙飛行機を飛ばした男の子は何を伝えたかったのか?
屋上で首を絞められて死んだ警備員は一体どうして死んだのか?
屋上のベンチに忘れられたPHSが定時に鳴るのはなぜ?
…。

そうした謎たちが微妙につながっていき、そして最後は、さくら婆ァが本当に知りたかったことに答えが出る。

一つ一つのお話が面白く、また最後のオチもそれなりに満足なものだと思いました。

僕の評価は★★★★☆(星4つ)
すっきり読める本だと思います。

アマゾンのレビューのレビューは続きから。

関連記事を短編連作系から
親不孝通りディテクティブ
メイン・ディッシュ
チルドレン
死神の精度
アマゾンでのレビューはこんな感じ。
二つ…。星は4.5個。

まあ、あまり知名度が高くないのは予想していたけども。

後味が悪いお話もあった、と両方のレビューに書いてあった。
若干救われないお話も確かに。
好き嫌いが少し出る点かな、とも思う。
実際、二人のレビュワーのうち一人はそこが少しマイナスだったと言ってる。
もう一人はそこも含めて良い、という意見だったけども。

何にしろ、そんなに大きなマイナスにはならない点なのかな、と。
けっこういろんな人に受ける良い本だと思います。

…レビューも少なかったし、こんなところで。
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コメント

  1. 唐津の漁師 | URL | -

    始めまして

    こんにちは

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    23日にブログ開設したひよこですが

    もしよろしかったら相互リンクお願いします。

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  2. MaThy | URL | OARS9n6I

    はじめまして。
    コメント返すの遅くなってすみません。
    僕のブログなんかが参考になるところなんか、ほとんどないと思いますが、そう言ってくださるだけでとても嬉しいです。
    ありがとうございます。

    相互リンクのお話もありがとうございます。
    こちらからも貼らせていただきます。
    これからよろしくお願いいたします。

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