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PK

2012年08月16日 03:44

「今から思えば」大臣は半分、意識せずに洩らした。「試されていたのかもしれない」
「何を試されたんですか」秘書官がすぐに質問してきた。
「たとえば」大臣は少し間を空け、考えた後で、「たとえば、勇気の量を」と言う。


PKPK
伊坂 幸太郎

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ちょっと前に読んだ。
…久しぶりだから、どんな書き方してたか分からん(笑)→適当に

面白かった…とイキナリ書いてみる。
伊坂幸太郎らしい、と感じた。

3つの中編から成っている。3つのお話はしつこくない程度に関係している。
1つ目のお話は「PK」
大臣が秘書官に調査をさせる。「ワールドカップ予選で小津選手がPKを決めることができたのは、なぜか?」

2つ目のお話は「超人」
ある男には、将来の殺人者の名前がメールで送られてくる、という特殊な能力がある。彼は将来の殺人者を、事前に殺す。

3つ目のお話は「密使」
人類の未来を託された密使は、ゴキブリ。そこに、時間をちょっとだけ人から盗める男が現れる。

さあ、断片的だ。たぶん、そんな断片をいい具合に結びつけて、お話ができてる。
いい断片を、無理なく結びつける。そんな伊坂幸太郎らしさ。

勇気が試される。戦うのか、戦わないのか。
どうしようもないくらい大きなことに対して、戦うと決めること。
ドキドキしてどうしようもないことが、淡々と。
いや、淡々としてるから、ちょっとドキドキするのかも。

やっぱり、どこまで書いていいか分からないから、記事の内容はフワフワしてしまうけども、良いもの読んだ感が伝わればいいのに。

★★★★★(星5つ)

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科学哲学の冒険―サイエンスの目的と方法をさぐる

2010年03月15日 01:16

科学というものは世界を理解しようという試みだ。そして実際に、世界を理解できる試みのように私には思える。しかし、その科学という試みじたい、世界の中で生じている。つまり、われわれがいきている世界は、世界を理解しようという/理解できる試みを中に含んでいるわけだ。別にそんな世界である必要はなかったのに、なぜかそうなっている。

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哲学はけっこう好きだ。とりわけ科学哲学は、すっきりさせてくれそうな、視野を広げてくれそうな、そんな期待を抱かせてくれる。だから、科学哲学の本を買うことに対して、比較的財布の紐は緩い。

でも、今回はなかなかに辛い読書で。

内容には、ところどころ惹かれるんですよ。著者が擁護したいという科学的実在論という立場も好感が持てる。
「科学はこの世界に起こる現象を理解できる。そして、少しずつ理解してきている」
他の哲学哲学した理論よりは、問題の難しいところに真正面から取り組んでいるように見えるのが良い。

でも…

一言で言うと、集中できない読書だった。関係のない、面白くもない、むしろ恥ずかしい会話形式が、苦痛だった。体調も悪かったかもしれないが、そんなところや、あんなところが気になって、内容が追えない。

そして、すっきりできなかった。もちろん、はじめから書かれているように、難しいところを突いているというのは分かるのだけど、結局、各議論の中で「どうやったら問題から一番上手く逃げれるか」という話になってる気がしてしょうがない。
それなら、科学的実在論の価値は何なんだろう?

ある理論に対する無駄な肩入れが入るせいで、読み物として、バランスを欠いていないか?

モヤモヤして、もう駄目だ。話をまとめられそうにない。ちょっと、上手くまとまっている書評を紹介。

世界を丸ごと理解するために「科学哲学の冒険」: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる
そもそも、この書評を読んで購入した。この本の一番正しい読み方が、書いてあると思う。本の読み方が上手い人が読むと、それだけで本の価値が変わる。

科学哲学の冒険
ちょっと専門的なレベルで著者の議論を評価している。「一部無理がある」という評価であるが、僕にはさっぱり。

Chase Your Dream ! » 科学哲学の冒険―サイエンスの目的と方法をさぐる
こちらも読書を楽しめた例。文章も楽しめたとのこと。強く主張するが、楽しめた人の方が、正しいと思う。

この読書が失敗したのは、きっと体調と、僕の読み方が下手なせいだ。そして、会話形式は好みの問題だ。
しかし、本を読み、何かを書くのが、ここまで辛かったのは、はじめてかもしれない。
そういう意味で、記憶に残る読書かも。

★★☆☆☆(星2つ)

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矢上教授の午後

2009年08月31日 06:15

「むろん、この状況を歓迎しているわけではないのだが。だがね、一度こんな場面に行きあってみたいと思っておったのは確かだろうな」
「というと?」
「ずばり、閉ざされた空間での犯罪」


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本屋をふらふらしながら、タイトルに惹かれて買った本。可もなく不可もなく…よりは少し満足できなかったかな。

大学の中にある老朽化した建物。普段人気の少ないその場所に、微妙な秘密を抱えた学生・助手・教授なんかが集まっている。そこに、雷雨で停電。エレベータが動かなくなり、ちょっとややこしい形の非常階段・非常扉のせいで、結果的に建物が封鎖される。そこで、殺人事件が。

ベタと言っても良い展開。ベタなのも嫌いではないので、ここに何か新しさがあったり、キャラクターが特殊だったり、文章が上手かったり、という特徴があれば良い。しかし、全ての点で弱い。

不自然な印象が残る。

登場人物が多く、会話主体の文章。しかし、個々の人物に特徴がないため読みにくく、また会話が多いのに説明口調ばかりで軽快さがない。上に引用した「というと?」みたいに、会話を成り立たすための、「とりあえずの相槌」が多いのも良くない。一度だけ、主人公の矢上教授が「○○じゃ」なんて口調で喋るけど、どんなキャラづけがしたいのさ?

細かく章を分けて視点が変わる。そこで、登場人物が後ろ暗いことを、こそこそと。しかし、登場人物の区別が難しいため、もうどこの誰の話なんだか。

お話の伏線も頭に残りにくい。ただただ、見せ方が汚いのが原因。たくさんの小さな謎を散りばめる手法はけっこう好きだけど、書く力がある人が取るべき手法だと思う。

一番不味いのは、随所で必然性が無視されること。なぜか取られない合理的な行動は、おそらく筆者の想定不足。読者は、必要のないところで解放されることのないストレスを溜めるだろう。たとえば、「最後までオチを語らない探偵」というベタな設定のせいで起こる、展開。何か切羽詰まって見せるから頂けない。

思いついたトリックに適切なお話を選べなかったのかな?

僕の評価は★★☆☆☆(星2つ)
けなし過ぎたな、と反省しつつも、妥当な評価かなと思うけど…。
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