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PK

2012年08月16日 03:44

「今から思えば」大臣は半分、意識せずに洩らした。「試されていたのかもしれない」
「何を試されたんですか」秘書官がすぐに質問してきた。
「たとえば」大臣は少し間を空け、考えた後で、「たとえば、勇気の量を」と言う。


PKPK
伊坂 幸太郎

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ちょっと前に読んだ。
…久しぶりだから、どんな書き方してたか分からん(笑)→適当に

面白かった…とイキナリ書いてみる。
伊坂幸太郎らしい、と感じた。

3つの中編から成っている。3つのお話はしつこくない程度に関係している。
1つ目のお話は「PK」
大臣が秘書官に調査をさせる。「ワールドカップ予選で小津選手がPKを決めることができたのは、なぜか?」

2つ目のお話は「超人」
ある男には、将来の殺人者の名前がメールで送られてくる、という特殊な能力がある。彼は将来の殺人者を、事前に殺す。

3つ目のお話は「密使」
人類の未来を託された密使は、ゴキブリ。そこに、時間をちょっとだけ人から盗める男が現れる。

さあ、断片的だ。たぶん、そんな断片をいい具合に結びつけて、お話ができてる。
いい断片を、無理なく結びつける。そんな伊坂幸太郎らしさ。

勇気が試される。戦うのか、戦わないのか。
どうしようもないくらい大きなことに対して、戦うと決めること。
ドキドキしてどうしようもないことが、淡々と。
いや、淡々としてるから、ちょっとドキドキするのかも。

やっぱり、どこまで書いていいか分からないから、記事の内容はフワフワしてしまうけども、良いもの読んだ感が伝わればいいのに。

★★★★★(星5つ)

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訪問者

2009年06月19日 23:24

「君は、訪問者かね?」

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恩田 陸

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恩田さんっていろんなタイプの本を書かれる。僕はその中で「ああ、よく作りこまれているなぁ」と思える本が好き。今回は、「やや作りこまれてる」くらいかな。読んで損をした、とは思わないくらいの…。

映画監督であった故・峠昌彦についてのインタビューと称して、井上は4人の老人に近づく。その4人は昌彦の実の父親候補。井上は身分を偽って、誰が父親かを探りにきたのだ。老人たちは老人たちで「訪問者に気をつけろ」という手紙を受け取っている。身分を隠して近づいてきた井上への不信感が募る中、昌彦と似たような状況で死んだ千沙子の影が至るところに現われてくる。さらに、嵐で外部と遮断されたところで、突如現れる謎の死体。

死の謎についての推理という点では木曜組曲に近いかもしれない。でも、木曜組曲の方が断然作りこまれていたという印象。実際、上のあらすじを読んで頂いても分かるように、お話自体はありきたり。オチも、決して意外なものではなく、むしろ、すっきり度は低め。

期待しすぎると、凹んでしまうかも?
時間つぶし、と思うとそれなりに満足かも?

僕の評価は★★★☆☆(星3つ)
もしどちらかを選んで読むなら、100%木曜組曲だと思います。
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まほろ駅前多田便利軒

2009年03月19日 22:23

そのチャンスは残されている

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「忙しい年になる」曾根田のばあちゃんの予言通り、その年に便利屋の多田が関わる人たちは何だか問題ばかり抱えている。
その中でも事あるごとに多田を悩ませるのが元同級生の行天(ぎょうてん)。初仕事の帰り際に、行天を拾うところからお話が展開していくのだが、とにかく困った奴で。住むところのないからと、便利屋に居候。すすんで仕事を手伝うでもなく、しかし、仕事には付いて来たがる。たまに役に立つのだけれど、人の目を気にしなさすぎる振舞いは多田を困らせるばかりだ。

少しずつ匂わされていくのだけれど、多田も行天も暗い過去がある。それは、大事なものが自分から決定的に離れていってしまった記憶。絶望的に修復できないものを抱えた時に、人はどうしたらいいんだろう?便利屋に関わる人たちとその問題が、時に多田の記憶を刺激する。

お話はシリアスな雰囲気を匂わせながら進み、しかし、行天や他の登場人物のキャラクターのお陰で暗くなりすぎず、読み心地に関して言えばむしろ軽めのテイスト。匂わされたクライマックスへの期待半分、心地いいお話だなって印象半分、「何か中途半端だな…」という気持ち半分(あれ?計算が合わない…)。
中途半端だって印象は心地よさと一体なのかな。多田の過去は、そこまで予想外でもないし、お話のオチもそんなに強くはない。それで、お話の引っ張り方とオチの威力はバランスが取れていない気がしたけれど、その「ああ良かったね」で終われるお話の作りが、心地よさに一役買ってるのかもしれない。
特に悪い印象なく、時間を潰せるかな、という一冊だと思いました。

★★★☆☆(星3つ)

また、『まほろ』というのは町田をモチーフにした街らしい。町についての描写が気になる人は、
山路を登りながら、こう考えた。:まほろ駅前多田便利軒 - livedoor Blog(ブログ)
こちらのブログ記事など参照にされてはいかがでしょう?


本の山で、この雰囲気に関連しそうな記事
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本の山。 くちぶえ番長 -
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