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ルー=ガルー 忌避すべき狼

2009年11月23日 22:57

「足りない?」
「足りないのさ。三回目の被害者と五回目の被害者に関しては――臓器が一部発見されてない」


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京極さんの本ですね。好きなのですが、時間がかかるので時々しか読めません。今回はたまたま本の切れ目に、目に付いたので読んでみましたが…やっぱり時間かかりますね(苦笑)

何か変わったプロジェクトから出てきたようですね。

二〇三〇?二〇五三年の近未来社会の設定を読者から応募し、その設定を元に、京極夏彦氏が新たな物語を生み出す、というプロジェクトがスタートしました。


とか書いてある。

そんな訳で、舞台は近未来。主人公たちは、今とは形態の違う学校に通う、近未来的な学生です。そんな彼女たちの周りで殺人事件が起こります。学生を狙った連続殺人…?自分から首を突っ込んだり、巻き込まれたりしながら、いつしか事件の中心に。

ミステリ小説と言えば、そうかもしれませんが、謎解きには力が入れられていません。それよりは、教育とか人権とか自分とか、そういうことに悩むお話です。つまりは、近未来を舞台にした、ベタな話ですね。

社会がシステムとして、大まかに、何となく、ちょっとだけ、完成しているのかもしれない、という雰囲気。そういうほんの少しの成熟がシステムの硬さと狭さを生んでいて、そこからはみ出る、または叩き出されると、途端に生きにくい。
これも今と変わらないかもしれないけど、少し社会の許容範囲を狭めてやることで、特異な叩き出され方が演出されている。

ふと、思い出したのが、新世界よりって本。この前読んだ本だけど、未来の社会のお話で、完成されたシステムと、そこから叩き出された時のギャップが主題の一つだと思った。

読書量が多くないので分からないけども、未来設定のお話ではベタな見せ方の部類なのかもしれない。確かに現代の人にとって、書きやすいテーマにも見える。現代の基準から少し変えてあげて、そこに生まれる歪さって、分かりやすそうですよね。
この本に関してはアニメ化の話があったようだから、分かりやすさが重要だったのかも。

ところで、この本のタイトル『ルー=ガルー 忌避すべき狼』ですが、最後までピンと来ませんでした。それらしいセリフが出てくるのに、何か遠い。これは個人的に、残念ポイントでした。

僕の評価は
★★★★☆(星4つ)
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夜にはずっと深い夜を

2009年10月26日 21:58

でも知ってますか? 香りだけが残るんです。

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鳥居さんの短編集。ちょっと話題になっていましたね。作りはベタだけど面白い。僕みたいに読むのが遅い人間でも1・2時間で読める。満足。

登場人物が、内にこもって、過剰にこだわって、明るく不幸に突っ込んでいく。そんなお話。短編はそれぞれが緩く関係している。時々見える、鳥居さんの言葉に対する敏感さも、ハッとさせられて気持ちいいかも。

よし、一つ僕もそんなお話を作ってみようか。(ちなみにネガティブキャンペーンではありません)

『野菜ジュース』

今日も皆して、人のことを不細工だの不健康だのと言いたいことばっかり言っちゃって。
これも野菜ジュースが足りないせいだわ。
今日は緑、明日はオレンジ、赤を飛ばして紫紫。
やっぱり、紫が一番好き。
この嘘くさい味わいは間違いないわ。
これで美容と健康は私のもの。

ふ、ふぅ、気分が悪いわね。
まだ野菜ジュースが足りないんだわ。
不健康不健康不健康。
きっと、オレンジよ。
明るく元気な偽者のオレンジが必要ね。
これで健康は私のもの。

何、この酷い顔色。汚い顔。
野菜ジュースがまだ足りないわ。
たぶん、緑ね。
緑が足りないから美容効果が薄いのよ。
ほらこの青臭い苦味が顔を引き締めるはず。
これで私も明日から美人だわ。

気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い。
今にも吐きそう。
それに、この汚い顔色。
一体何なのこの鏡、壊れてるんじゃないの?
なんで私がこんなに醜いわけ?
ちゃんと映しなさいよ。
不細工な顔でこっち見ないで!

がしゃああん!

ほら。やっぱり間違ってるんじゃない。
きれいで健康な赤。
私から滴る赤。
やっぱり野菜ジュースは、赤に限るわ。


…上手く行かんね。なんでやってみようと思ったんだろ?(苦笑)
アイデアと過剰さが、もっと欲しかったなぁ、と反省。野菜ジュースを飲んでたから、野菜ジュースって時点で…って、本の話しないと。

例を作るのに失敗したから、本の紹介も失敗ですね。何か説明しようとすると嘘くさくって。統一感があるっちゃあるけど、意外とバリエーションもあるし、上手くまとまらない。あえて一つに印象をしぼると『演劇的』かなぁ…。

…眠い中作ったお話を消すのも悲しいし、今日はもうあきらめよう。

評価は★★★★☆(星4つ)
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ダブル・ジョーカー

2009年09月27日 03:49

「……ダブル・ジョーカーを使うつもりはない」
あの日、予期せぬ会見を終えて部屋を出て行こうとする風戸の背中に向かって、阿久津中将は低い声でそう言ったのだ。
「同じカードは二枚も要らない。どちらかがスペアだ」


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ジョーカー・ゲームに引続き、楽しんで読みました。この軽くて単純な面白さと来たら…!

設定もジョーカー・ゲームと同じで、第二次世界大戦直前の日本にこんなスパイ機関(D機関)があったら…というもの。短編が5つ。お話ごとに、軍の第三者の視点、スパイに追いつめられる人間の視点、スパイ自身の視点、と語り手が変わっていく。

たとえば、表題と同タイトルで、最初の短編である『ダブル・ジョーカー』は、軍の第三者の視点で語られる。D機関を煙たく思う軍隊で、新たなスパイ機関(風機関)が組織される。風機関の統率者である風戸の視点で、あるスパイ容疑者に対するD機関と風機関の勝負が描かれる。

ジョーカー・ゲームでも、初めのお話は軍の第三者の視点のものであった。これにより、D機関がこの時代にあって、いかに特殊なものであるかということが受け入れやすくなっていると思う。時代背景の説明やスパイ機関の説明が、説明臭くなく自然に扱われている。

思い返してみると、短編一つ一つのテンポの良さに加えて、お話の配置のバランスが良い。特に深くつながっていないお話を最後まで読んで、過不足なく終わらせるのはなかなか凄いテクニックなんではないか?

一つ残念かもしれない部分が、お話一つ一つのオチのインパクトがそれほど大きくないこと。「そりゃあ、すげぇや」っていう、さらに軽いノリの部分があると、僕みたいな深さを理解できない人間は、さらに楽しめたかも。

でも、全然満足。
★★★★☆(星4つ)

参考
本の山。 ジョーカー・ゲーム
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